最近流行っている言葉に「毒親」という言葉があります。
親だったら、自分の子どもにこう思われたくないでしょうし、また、
「毒親」として子どもの人生を叩き潰したくもないでしょう。
とは言え、実際にはものすごく手のかかるのが、子育て。
時には怒鳴りたくもなるし、手を上げてしまうことだってあるはずです。
しかし一方で、全く怒らない子育てが子どもにいいとも限りません。
「子どものために」・・・それはどこまで、本当に「子どものため」
なのか、親の立場から考えるのは大変難しいところです。
なぜなら、子どもは千差万別ですから。
でも、「これだけは言っちゃまずいでしょ!」という共通項は、ある程度あります。
今回はそんな「ギリギリアウト」な親のセリフについてまとめてみました。
子供のやる気を潰すこんな親のセリフ
「やる気を潰す言葉」など、インターネットで「子ども 潰す 言葉」と調べれば、いくらでも出てきます。
ですので、ここでは「私自身が親に言われて腹が立ったセリフ」を挙げてみます。
1.(テストで90点だった時)
「次は100点を取れ」
2.(上着を着るのを嫌がった結果、寒がっている時)
「だから〇〇しなさいって言ったでしょ」
3.(一緒にいる子どもの友達が、きちんと挨拶できた時)
「〇〇ちゃんエライね、あなた(自分の子)も見習いなさい」
4.(子どもが宿題につまづいている時)
「こんなことも分からないの!?」
5.(子どもが泣きながら帰ってきた時)
「やられたら、やり返せ!」
1は、全然褒めていないのが分かりますよね。
「100点取れば褒める」というのは、「条件付きの愛」です。
「〇〇したら、好きになってあげる」と夫または妻に言われたことありますか?あるいは友人が言われていたら?
たぶん、イラっときますよね。
友人が言われていたら、「そんな人とは別れた方がいいよ!」と説得しにかかりませんか。
だって、「今のままのその人を愛していない」から。
子どももそう受け取ります。「お父さんお母さんは、テストで100点取れる自分が好きなんだ、今の自分は嫌われているんだ」と。
2もよく言ってしまいますよね。
何がダメって「先手を打つ」ことがダメなんです。
子どもに寒い思いをさせて、そこで子どもが「自分の感性」で「寒いから着こむ」という選択を「見つけて」、実行するようにしてほしいのです。
3も、言うことを聞かないわが子への嫌味ですね。なかなか言うことを聞かないと、つい嫌味の一つも言いたくなりますよね。
でも、これも1と同じ「条件付きの愛」と取られ、子どもに親への不信感を植え付けることになります。
4は・・・個人的には思い出したくもないほど不愉快な出来事でした。
算数の文章題で、意味が分からず考え込むと「休んでいるのか!」と怒鳴られ、
とにかく何か書けば「こんなことも分からないのか」といきなり消しゴムで全部消され、
その消しカスの山を指さして「お前のせいでこんなに消しゴムがムダになった」と言われ・・・
まぁ、大人から見ると小学生の問題なんて、
「なんで分からないのか理解できない」くらい簡単なんですよね。
でも、この世に出てきてまだ10年もたたない子どもに言っていいセリフでも扱いでもない。
だって、何十年も生きてきた大人だって、
同じことをされれば傷つくのですから。
いろいろな経験を積んでいるから受け流す術も反撃する術も持っていますが、
子どもにはまだありません。
5は「やる気」とはちょっと違いますが、
子どもの「どうしてこうなるの?」「どうすればいいの?」
という問題解決力を、「力」で叩き潰す一言です。
言っている親としては叱咤激励のつもりでも、
子どもには「弱い自分」を叩き潰されているように感じ、
怯えて自分では何もしなくなっていまう・・・ということにもなりかねません。
子供の将来を潰すことのないように親としてできること
「言ったことある、それ」と思ったこと、けっこうありませんでしたか?
最初に述べた通り、子育ては大変な仕事だと思います。
何が一番大変って「イレギュラー」が多いこと。
反応も全然読めなくて、正解もなくて、
どうしたらいいのか分からない!と、悲鳴を上げている方はきっと大勢いるでしょう。
でも、だからこそ、「フォロー」してあげてほしいです。
あれもこれも言ってはいけない!などと気にしていたら、子育てなんかできっこない。
ただ、言ってしまった後に、
「さっきは言いすぎた。ごめんね」という一言さえあれば、子どもも救われます。
「親だから」「自分がちゃんとしなきゃ」という責任感が強い、
プライドの高い人ほど、弱者に、わが子に謝りません。
また、「手を出しすぎる」ことも、子どもの自主性を奪うわけですが、
子どもがモタモタしているのを見るのがツライ、
耐えられない、だからつい手を出してしまう・・・という人もいますよね。
そういう人も、結局「時間内に〇〇と〇〇をやり遂げなきゃ」という強い責任感からの焦りだったりします。
だから、そういう責任感の強い親の方にはこの一言を。
「親はなくても子は育つ」
子どもが本当に困ったときに「帰る港」「絶対安全な基地」であってくれれば、それだけで十分です。
まとめ
子育ての問題は非常にデリケートな問題です。
そうなってしまったのは「孤育て」と言われるほど
養育者一人に育児を押し付けている現状に、大きな原因があると思います。
家では叱られっぱなしの私は、中学校で数学の先生に叱られて一学期間、
顔を見られないほど落ち込みました。
しかし次の学期末、何とか数学の成績を上げた私を、その先生は手放しで褒めて下さいました。
その時に初めて知ったのです。
「努力すれば、報われる」と。
「ただ叱られるだけじゃない、ちゃんとできたら認めてもらえるんだ」と。
親だけで子育ては背負えません。
ご近所さんやら塾やら学校やら、
様々な場面で子どもに関わってくる大人がいてこそ、子どもは成長できるのだと思います。
でも、子どもが帰りたいと願う場所は、やはり「親」の元なのです。
虐待からなかなか逃れられないのも、この「帰巣本能」のためです。
だからこそ、おいしいごはん(レトルトでもいいですよ!)と温かい寝床、
これを確保しておくのが、親としての最低限の責務であると考えます。
やる気を出す薬はありません。
でも、やる気を引き出させることはできます。
「自分が愛されている」という実感を、わが子にたくさん与えてあげて下さい。
それができるのは、親だけですから。