20世紀末の急激な技術革新により、工業製品に代わり情報が製品として利用できるようになりました。
これに伴って社会が大きく変化してきたことは、30代以上の人なら十分実感していることでしょう。
今まで閉じていたコミュニティが、インターネットによって開かれ、
たくさんの人が地域も国境も言語も文化も超えて接することができるようになったことは、
特に大きなメリットと言えるでしょう。
どこかの企業や組織に所属していなくても、
動画サイトに投稿したりブログを書いたりして、
世界中の人たちから才能を認めてもらうこともできます。
では、急激な工業の発展が、化学物質の拡散によって心身を蝕む公害を生んだように、
急激な情報化は私たちにどんなデメリットをもたらしているのでしょうか。
情報化社会によって子供の将来に影響するメリット
グズる子どもにスマホの動画を見せる・・・といったことは、
親なら一度はやったことがあるのではないでしょうか。
実際、知りたいことがすぐ調べられるというのは、教育の上でも大きなメリットです。
自分が実際に見たり聞いたりできないものでも、
スマホやパソコンでとてもリアルな映像や、珍しい動物の鳴き声なども見つけられます。
わざわざ遠くまで出かけなくても見られるなら、その拾い集めた情報をどうつなぎ、どう生かすか。
私たち以上に、これからを生きる子どもたちは、
「新しい価値をいかに生み出すか」という創造性を問われることになるのです。
また、インターネットは地域を超えるので、
違う文化で育った人とも簡単にコミュニケーションが取れます。
日本で行き詰って海外に活躍の場を求める人はこれまでにも多くいましたが、
これからはそれがもっと容易になることでしょう。
子どもの創造性と個性次第で、それまでの地域や企業といったしがらみを
踏み越えて活躍できる場が広げられる。これは大きなメリットではないでしょうか。
情報化社会のデメリット・・・インターネットやSNSとうまく付き合うコツ
先日友人が、「インスタ映えしないから黒猫を捨てた」というツイートを見たと憤りながら話していました。
反論のツイートもたくさんあったようですが、ここで注目すべきは、「価値観の逆転」です。
言うまでもなく「被写体あっての写真」であり、
写真とはその被写体の様子を記録するための手段に過ぎないのです。
たまたまその写真に切り取られた被写体の美しさに魅せられる人が多くいる、というだけです。
よって、写真のために被写体を損なう、捨てるということは、
「被写体あっての写真」という本来の「目的-手段」「主-客」が逆転していると言えます。
同じように、「目立ちたいから」という理由で常識を踏み越えるケースが
後を絶たないことは、ニュースを見ている方ならよくご存じでしょう。
これは、現実の、生身の肉体で生活する実感よりもスマホやパソコンの中の虚実交わる
「情報」の中だけで生活している実感の方が強いからではないでしょうか。
もしあなたが大人なら、曜日や時間を決めて「情報断ち」をすることをオススメします。
情報をシャットアウトする機能は、人間の脳に備わっている防衛機能の一つでもあります。
「ぼーっとしてしまう」「頭が真っ白になる」「ゾーンに入る(過集中状態)」といった状態を、
体験したことがありますよね?この状態を、意図的に作るのです。
これによって一度リセットすると、自分がいかに虚構の情報に踊らされていたか自覚できると思います。
子どもに対してならば、「時間を守らせる」こと。
学校でも授業があるし、友達も持っているからやらないとイジメにつながる・・・と、心配される方もいます。
その一方で、「経営者などエリート層ほど、自分の子どもにスマホやパソコンを触らせない」という現実もあります。
(現代ビジネスhttps://gendai.ismedia.jp/articles/-/40647)
この記事によれば、「時間は30分」「寝室には絶対にスマホを持ち込まない」など、
妻や子に批判されても厳しいルールを貫いている事例が取り上げられています。
その理由は「子どもの創造性を奪ってしまうから」。
ただ、普段子育てに無関心・非協力的な方の親が突然これをやりだすと、家庭内不和にしかならないでしょう。
欧米の親は性別に関係なく子育て熱心です。日本の家庭で実施するなら、まず何よりも夫婦での話し合いと認識のすり合わせが必要でしょう。
まとめ
情報化社会のメリット、デメリットについて触れてきましたが、いかがでしたか。
アップルの創業者スティーブ・ジョブズも、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツも、
コンピュータなどなかった時代に
「こんなのがあったらいいな!」「これがあればきっと便利、多くの人が喜ぶだろう」
という情熱を原動力に素晴らしい技術と機器を生み出し、私たちに情報化社会という新しい時代をもたらしました。
どんな社会に変化しても、彼らのような情熱を持つ人が生き残っていけるのは間違いないでしょう。
そのためにも、時々は自分自身に問うてみて下さい。
「本当にこの情報は、ゲームは、自分にとって必要なものなのかな?」
と。