病気との付き合いと人とのつきあい
「婚約者と別れ」「会社をクビに」…腸の難病・クローン病患者が語る困難と生きる勇気
クローン病という病名を聞いて何を感じるでしょうか。クローンという言葉で思い出すのは、遺伝子レベルで話題になったクローン羊のドリー。クローン病という病名がこの遺伝子レベルのイメージとつながると、さまざまな問題が起こりえます。結婚ということになれば、生まれてくる子どもに影響が出てくるのではないかなどと考えてしまうのも無理はありません。このクローン病によって、辛い思いをしている人々が多くいるというのです。
クローン病の正体
クローン病という病気は、小腸や大腸に炎症が起きるというもので、炎症性腸疾患のひとつとされます。原因がわかっておらず、完治が難しいとされる慢性の病気とされます。国が難病と指定している病気で、その病気で苦しむ人々が4万人以上いるのではないかとさいわれています。
クローン病という病名は、この病気を報告した医師の名前とされます。クローン羊などのクローンとは全く別だというのです。
私もこの話題を眼にしたときに、遺伝子関連の病気であると思ったのですが、病気の報告者の名前であることを知り、驚きました。
症状による影響
クローン病の症状は、小腸や大腸の炎症ということで、腹痛を感じてしまい、学業や仕事などに影響が出てしまうレベルになることもあるといいます。また、その病名への誤解から、人とのつきあい、恋人とのつきあいや結婚などにも大きな影響を及ぼしてしまうため、単なる腹痛などの問題ではないことも多いようなのです。
学業や仕事などでは、腹痛などによって休みがちになったり、食事会などで食べられるものや食べられないものなどの問題が出たりしてしまい、人からの評価へも影響を及ぼしてしまうこともあるといいます。
社会生活とのかかわり
クローン病を知らない人々は、奇異の目で見ることもあるでしょう。しかも、それが遺伝子にかかわるような病気であるという誤解は、差別へつながりかねません。病気自体の苦しみに加え、他人からの目に見えない攻撃を受けてしまうこともあるでしょう。
炎症性腸疾患というその本質が世の中で認知されることが大切だと思います。実際にクローン病になったとき、自分は遺伝子的な病気ではないという意識でいたとしても、誤解の目から逃れることはできません。
クローン病という病名の由来や、その症状など社会的に認知度を上げていかなければなりません。実際にその病気にかかった人が努力すればいいという意見も聞かれそうですが、そもそも、奇異な目で見てしまう人々が圧倒的に多い場合、個人の声はなかなか広まることはありません。
完治困難なクローン病、国指定の難病というだけではなく、その本質的な部分を共有していかなければなりません。